このレポートは里谷選手のプライベートコーチであるスティーブン氏が記したものです。
スティーブンコーチのレポート7
里谷選手の近況 1/11
私たちはクリスマス直後、エアーのトレーニングの為ニセコにいました。
多英選手は夜もモーグルのコース上でトレーニングをしており、オリンピックでの活躍を期待されている彼女にとって、これは必要なことだと思います。
ニセコでのトレーニングを終えた後、彼女にとって初戦となるワールドカップに備える為、私たちはカナダに渡りました。
カナダに到着した初日は何事もなく順調に終わりましたが、最初のトレーニングでは荷物を紛失してしまい、コースでの練習ができませんでした。
ワールドカップの前日にアクシデントが起こりました。
フロントフリップの練習中に頭から落ちて首と背中に怪我をしてしまい、この日は練習ができませんでした。
ワールドカップの当日、彼女は体の痛みを感じており、良いコンディションではありませんでしたが、何とか競技には出場しました。
私はこの時の競技を見て、彼女がジャンプの自信を失っていると感じ、工藤氏(日本におけるエアリアルの先駆者であり、夏から里谷選手の3Dに関するコーチを行っている)と再びトレーニングをすることが必要だと思いました。
彼女はこれ以来あらゆるストレスを感じており、私たちのトレーニングは計画通り進んでいません。この状況を変えるためにも工藤氏にフロントフリップを教えてもらうことが必要です。
彼女のスキーは、これまでとても良かったのですが、事故以来フロントフリップで怪我をするのではないかと心配し、スキーへの集中を欠いています。
私はこの心配を取り除くことにより、多英選手が再び順調にスキーができると考えています。
現在、彼女も工藤氏のようなエアリアル専門家による指導を望んでいます。
アスリートが一度危険な状況を感じ、動揺してしまった場合は、彼らが最も安全と感じるような状況を作ってあげることが大切です。
私は工藤氏とフロントフリップを練習することが、この状況から抜け出すきっかけとなると信じています。
残りの週、私たちのトレーニングはボディポジションに重点を置く予定です。
彼女は足の位置や動き、腕のバランスを更に改善する必要があります。
今日は風邪とジャンプに対する不安の為、あまり効果的なトレーニングができませんでした。
私は彼女が予定のトレーニングから遅れていることを感じています。
来週からはターンに続き、再びエアーに焦点を当てたいと思います。
以上
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スティーブン・フィアリング 国際フリースタイルスキーの前メンバー。 カナダスキーチーム、日本スキーチーム、日本オリンピック委員会、 韓国スキー協会でコーチを経験。 1994年に来日。 日本語も堪能で文化もよく理解している。 |