スティーブンコーチのレポート

このレポートは里谷選手のプライベートコーチであるスティーブン氏が記したものです。

スティーブンコーチのレポート4

新たに練り直したスケジュール

キャンプ期間 2005年6月11日〜6月20日

今回のキャンプは予定より早く終了しました。というのも、多英選手の古傷が再発したためです。ケガは首の筋肉とその隣の腱にまたがっているものです。
また背中の左下部にも慢性的な痛みがあり、日本での治療にしばらく専念し休養をとらせることにしました。
このようにカナダでのキャンプはとても不本意な結果となり、ケガに対する不安が増え、さらに精神的に不安定になったり、練習への熱意をそぐことにつながりかねない状況です。そこで私たちは、遅れを挽回するために練習計画を大胆に変更しなければならないと考えています。
新たに練り直したスケジュールと練習計画は、8月にその内容を実戦形式を重視したものからウォータジャンプとトランポリンを重視したものにシフトしました。
しかしながら、精神面の強化を最優先することが結果的によい結果につながると考えているのです。多英選手は今ネガティブな精神になっているので練習メニューを思い切って変えるほうがよいと判断しているわけです。

新計画では、次の8週間を北海道の手稲で過ごし、必要ならばホノルルでのトランポリン練習にも復帰する予定です。また同時に、ケガの治療を行う関係でキャンプ地を札幌に速やかに変更します。ケガの回復具合をチェックするのに利便性が高いからです。治療が終わればバックフルができるようになるまで札幌に滞在し、手稲でのウォータジャンプ練習に移る運びです。

このキャンプでの最大の狙いはバックフルです。現状の多英選手のバックフル習熟度は雪上での本格的な練習に入るにはまだ不安が残っています。
技を行う際の恐怖心がその原因です。練習不足も関係しています。
現状、この内容から彼女の熱意は大きく低下し、練習意欲も下がっています。

以上

スティーブン・フィアリング
国際フリースタイルスキーの前メンバー。
カナダスキーチーム、日本スキーチーム、日本オリンピック委員会、
韓国スキー協会でコーチを経験。
1994年に来日。
日本語も堪能で文化もよく理解している。