このレポートは里谷選手のプライベートコーチであるスティーブン氏が記したものです。
スティーブンコーチのレポート2
トランポリンでの練習を継続
ロケーション ホノルル、ハワイ州
キャンプ2においてもキャンプ1と同様に週に5日のトランポリンでの練習を継続しました。午前中はランニングと軸のトレーニング、ウェイトトレーニングをジムにて行いました。里谷のコンディションは昨年のどの時期よりも良好です。大きな違いは彼女の脚と軸(背中の下部や脇、腹部)です。食生活習慣による脂肪はまだ多少ありますが、筋肉はこれまでよりも増強しています。次回のウォーターランプのキャンプで新技に取り掛かる準備は出来ていると思います。
コースの目標は里谷が自分への自信をなくさない環境に於いて、安全性と確実性を確立するトレーニングセッションを行い、里谷がポジティブな勢いのままでいれることです。Max Vercruyssen博士と私は里谷が前進する準備が出来たと信じています。
前にも説明しましたが、私が設定したレベルの基準は以下です。
(a.)最初は、安全綱に強く繋げられている安全ベルトを装着して、選手を補助するようにして
(b.)徐々にロープを延ばして安全ベルトを緩め、選手がもう少し楽に動けるようにする
(c.)選手が何度かうまく出来るようになったところで、安全ベルトを外してコーチが手で補助する
(d.)最後に選手が十分に技を習得して自分だけで行えるようにする
(e.)完成。
以後、里谷の各技の状態を説明する際は以下のカテゴリーを使用します。
(a.)レベル1
(b.)レベル2
(c.)レベル3
(d.)レベル4
(e.)レベル5
【トランポリン技チャート】
※2005年5月15日現在でのレベル
| 技 | レベル | 特徴・種類 |
| フロントタック | 5 | 1前宙返り |
| フロントパイク | 4 | 1前宙返り |
| フロントレイアウト | 5 | 1前宙返り |
| バックタック | 5 | 1後ろ宙返り |
| バックパイク | 4 | 1後ろ宙返り |
| バックレイアウト | 5 | 1後ろ宙返り |
| バックフル | 4 | 1後ろ宙返り+1ひねり |
| ブラニー(1 1/2ひねり) | 4 | 1前宙返り+1.5ひねり |
| バックダブルフル(2ひねり) | 3 | 1後ろ宙返り+2ひねり |
| ダブルバックタック | 3 | 2後ろ宙返り |
| ルーディ | 1 | 1 1/2前 |
目立って上手くなったのはバックレイアウトで、フォームも高さもほぼ完璧です。また、バックフルに関しても本人の自信はとても低いものの、最大の目標としていた事は達成できました。レベル2の段階でほぼ完璧にバックフルをこなすことが出来ますが、ベルトを外し、レベル3の状態になるとコーチに頼りすぎてほとんど自分だけでは演技が出来ない状態です。バックフルに対して里谷自信がまだ少しネガティブなイメージを持っているようですが、ほぼ安全に演じられるようにはなっています。回数をこなす必要がありますが、それと同時にバックフルに対しての自信を持つことが必要です。
次のウィスラーでのキャンプでの最初の目標はスキーの基礎に2〜3週間費やすことです。ハワイではいくつかの悪い癖を取り除き、スキーの軸を変えることは出来ます。ここでの目標は里谷のスキー能力を伸ばして最高のレベルに近い演技をしつつこれよりも速くスキーが出来るようにすることです。一度悪い癖をなくせたらモーグルに必要な体のコンディションを整えることに集中できます。
キャンプの第二段階はジャンプ部分に焦点をあてる予定です。ウィスラーに於いてジャンプを始めるか、ニューヨーク州のLake Placidに移動して設備やスケジュール次第でこのトレーニングを行う予定です。最初のウォーターランプキャンプでは、夏に雪上で行うトレーニングではできないであろうと思われる技の実験を行う予定です。里谷がバックレイアウトやバックフルのような新しい技術を経験することで未知の力を発揮するかもしれないと期待しています。里谷はバックフルに対してあまり自信がないようですが、昨年バックフリップを初めてした時も同じような思いでいました。
【ウォーターランプ技チャート】
※次の空中トレーニングキャンプの目標レベル
| 技 | レベル | 特徴・種類 |
| バックレイアウト | 5 | ストレート |
| バックポジション | 4 | クロスポジション |
| バックフル | 3 | 1後ろ宙返り+1ひねり |
| 360 | 4 | 1ひねり |
| バックダブルフル | 1 | 1後ろ宙返り+2ひねり |
| 720オフアクシス | 2 | 1オフアクシス後ろ宙返りと1ひねりを混ぜたもの |
ウォーターランプキャンプに向けて設定したレベルは:
(a.)成功するかどうかは別として技をやろうと試みる能力
(b.)50%以上の確立で技を成功させる。
選手が何度もその技を成功させることができるようになったら
(c.)スピード、ジャンプの大きさ、逆の状態からなど、色々な変化をつけても75%以上の確立で技を成功させる
そして最後は
(d.)技術を自由にコントロールできつつ、95%以上の確立で技を成功させることが出来る
(e.)完璧。
以上
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スティーブン・フィアリング 国際フリースタイルスキーの前メンバー。 カナダスキーチーム、日本スキーチーム、日本オリンピック委員会、 韓国スキー協会でコーチを経験。 1994年に来日。 日本語も堪能で文化もよく理解している。 |